杉島総合法律事務所

遺言の書き方

2018.10.29

遺言の書き方
ネットで検索すると、
「遺言 書き方」「遺言 書き方例」がよく出てきます。
簡単な相続ならネットで出てきた遺言の書式例でいいと思います。
しかし、「誰それに、何々をあげます。」という遺言だけで
相続人は皆納得するのでしょうか。
納得されない事例は多いと思います。
例えば
「故人に媚びたあいつの言いなりになって作った遺言や。気に入らん!」
と言って遺留分減殺請求をしたり
「遺言を作ったときには、もう、認知症がかなり進んでたんや!こんな遺言無効や!」
と言われたり
「この遺言は偽造されたもんや!」と言いがかりをつけられたり
却って、遺言が「争続」を招きかねません。

なぜ、こんなことになってしまったんでしょうか。
それは
「自分はどんな思いでその財産を作ってきたのか。」
「自分は生前、どんな思いで、相続人と接してきたのか。」
「なぜ、その財産をその人に相続させるのか。」
そういった「想い」が遺言に入っていなかったからではないでしょうか。

遺言に、もしそういったものがあれば、相続人としては
「ああ、故人は自分なりにそういったことを考えてたんやなあ。」
「そういう事情なら、自分は少なくても仕方ないわな。」
と納得もできると思います。
また、弁護士等の全くの第三者を挟めば、ある程度、客観性が担保できます。
争いづらい環境も整えられます。
自分の「想い」をきちんと伝えられているか。
逆に子孫は親から「想い」をきちんと伝えられてきたか
一度考えてみることをお勧め致します。

<追伸>
あまり話題になっておりませんが、民法のうち、相続に関する部分について改正が多々ありました。
その中で遺言に関する改正もありました。
遺言の種類の中に自筆証書遺言というものがあります。
これは遺言を手書きで作るものです。
隠されたり、民法で定める書式(形式的なもの)を守ってないものが多く、無効にされることが多いです。
ただ、今回の改正で法務局に持って行けば、民法で定める書式で書けてるか形式なチェックをしてくれたうえで、
遺言を保管してくれる制度です。法務局に問い合わせをすれば、遺言を預かってくれるか回答してくれるというものです。
これからは、自筆証書遺言が多くなるかもしれませんね。
ただ、内容が遺留分に反するか否か認知症でない状態で書かれたものかなど、
もっと踏み込んだチェックはしてくれません。
素人の方が単独で作るだけですと法的に問題がありますので、やはり弁護士に相談すべきであると思います。

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