杉島総合法律事務所

AIと法律相談について こんな話があったかもしれませんというお話

2025.12.29

これは、とある関西の事務所で、されたかもしれない会話・・・

事務員: 先生、最近ちょっと気になることがあるんですけど…

弁護士: どうしたん?

事務員: お問い合わせで「AIで訴状作って裁判起こしたんですけど、相手から反論が来てどうしたらいいか分からなくて…」っていう相談、きてません?

弁護士: あー、それな。あるある。「AIに教えてもらった知識で交渉したけど、全然うまくいかへん」とかもあるな。

事務員: やっぱり!あと「AI使ったら弁護士いらんのちゃいます?」って言われることもあって、正直ちょっと複雑な気持ちに…

弁護士: いやいや、それは早計やで。AIは確かに便利やけど、万能ちゃうからな。

事務員: というと?

弁護士: 簡単な場面やったら、AIも使えるねん。

例えば、借用書も領収書もあって、時効にもかかってない、争いのない貸金返還請求とか、賃貸の敷金返還請求とか。

事務員: あー、書式がたくさんネットに落ちてるようなやつですね。

弁護士: そうそう。でもな、そういった以外のものは、あんまり使えへんのよ。

事務員: なんでですか?

弁護士: AIが拾うのは、あくまで一般的な「情報」にすぎへんから。

個別具体的な事件に適切かどうか、もっと言えば、あなたの状況にとって適切かは判断できへんねん。

事務員: なるほど…一般論は教えてくれるけど、「あなたの場合は」っていうのは分からないと。

弁護士: その通り!しかもな、データが少ないものは、うその答えを「捏造」することも多くなってくる気がする。

事務員: え!捏造!?そんなことするんですか?

弁護士: するねん。悪気はないんやろうけど、自信満々に間違ったこと言うてくるからタチが悪い(笑)

    データたくさんあることでも嘘つかれることもあるんやけどな(笑)

事務員: それは怖いですね…

弁護士: あとな、もっと重要なことがあってな。AIが答えるのは、こっちが設定した枠組みの範囲内のことが多いねん。

事務員: 枠組み?

弁護士: そう。つまり、あなたが認識してない枠組みのことは考えてくれへん。

事務員: うーん、ちょっと難しいです…

弁護士: 例えばな、あなたが「貸したお金を返してほしい」って相談したら、AIは貸金返還のことしか答えへん。

でも実は、「もらったんです。」「出資してもらったんです。」とか、時効で消えてたり、

そもそも、相手のお金どこにあるか分からんかったら、やる意味ないとかあるやろ?

事務員: あ!そういうことか!

弁護士: そういうこと。

    弁護士じゃない人が、自分でAIに入力する際、相手方にとって有利な主張や事実なんて考えへんのが普通やから。

事務員: あー!自分に都合の良い情報だけ入れちゃうってことですね。

弁護士: そうそう。で、「相手方が何を言ってるか分からん…」ってなる。

事務員: それって、言葉遣いが難しいからですか?

弁護士: それもあるけど、多くの場合は、相手方の有利な枠組みが見えてへんから、

   相手方が言ってることが、俯瞰では、どういう意味を持つのかが分からへんということもあるんちゃうかな。

事務員: なるほど…じゃあ、もう「法律相談には、AI使うな」ってことですか?

弁護士: いやいや、そんなことは言うてへんで!

事務員: え?使っていいんですか?

弁護士: AIは、使えることは使えるねん。事実の整理とか、モヤモヤとしたものを言語化するのには良いと思うで。

事務員: じゃあ、どう使ったらいいんですか?

弁護士: まず、どうしたいかを固めることやな。法律相談はここが出発点やから。

事務員: でも、それがすぐには出てこないんですよね…

弁護士: そうやねん。法律相談させてもろても、あれこれお聞きして初めて、浮かび上がってくる…ということもあるぐらいやからな。

事務員: じゃあ、どうしたら?

弁護士: 困ってることを、思いつくがまま、パソコンやiPhoneのメモ帳に書き続けてみることやな。

    まとめんと箇条書きでも、単語だけ並べてもかまへん。

事務員: とにかく書き出すと。

弁護士: そう。そのうえで、AIに「弁護士に相談したいんだが、回答しやすいように、まとめて」って言うてみるのも良いと思うで。

事務員: あ!そういう使い方!

弁護士: そうそう。だから、法律問題については、現時点では、AIを使いつつ、弁護士に相談するっていうのが最適やと思うわ。

事務員: なるほど!AIと弁護士の「二刀流」ですね!

弁護士: いや、二刀流いうより、AIは「下準備」で、弁護士が「本番」やな。

事務員: 料理で言うたら、AIが野菜切って、弁護士が調理するみたいな?

弁護士: そうそう!野菜だけ食うても美味ないやろ?(笑)

事務員: 確かに!(笑) でも先生、最近AI使いこなしてますよね?

弁護士: まあな。便利やもん。

事務員: じゃあ先生も、いずれAIに仕事取られるんちゃいます?

弁護士: そうなったら、君も失業やで・・・

事務員: す、すみません!先生はずっと必要です!

弁護士: 分かればよろしい。

事務員: でも本当に、AIと人間、うまく使い分けることが大事なんですね。

弁護士: せやな。AIは道具。包丁と一緒や。上手く使えば便利やけど、使い方間違えたら怪我するで。

事務員: 深いですね…

弁護士: ところで、さっきから君、メモ取ってるけど、何書いてんの?

事務員: あ、これですか?今の会話、AIにまとめてもらおうかなって…

弁護士: …君な。

事務員: はい?

弁護士: それ、自分の頭で考えてまとめなさい。

事務員: はい…(笑)

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