杉島総合法律事務所

AIの、法律相談、ご用心!

2025.04.06

最近、「AIに法律相談したら、〇〇って結果が出たんだけど、これって本当?」

というご質問をいただく機会が増えました。

便利なAIですが、法律相談に使うとなると、ちょっと注意が必要です。

実際に相談をお受けしていて、「うーん、そこじゃないんよなぁ」と感じるケースが少なくありません。

なぜ、そんなことが起こるのでしょうか?

私の感じる「落とし穴」をいくつかご紹介します。

1.AIが、しれっと「嘘」をつくケース

  AIは平気で「嘘」をつくことがあります。

AIは、それっぽい情報を生成するのは得意ですが、その情報が事実かどうかは人間が検証する必要があります。

2.自分に「都合のいいこと」だけ聞いてしまうケース

人間は誰しも、自分に都合よく物事を考えがちです。

「こうだったらいいな」という期待で胸を膨らませて、AIに質問されるのではないでしょうか。

AIは基本的に、聞かれたことに対して答えます。

あなたが聞かなかった「都合の悪い可能性」や「潜在的なリスク」については、スルー・無視してしまうかもしれません。

もちろん、AIがリスクを指摘してくれることもあります。

しかし、「見たくない情報」は無意識に読み飛ばしてしまうのが人間です。

結果として、AIの回答を鵜呑みにして行動すると、痛い目にあうことがあるかもしれません。

3.答えは部分的には正しいが、全体から見るとマズいケース

これが一番厄介かもしれません。

AIの回答する内容自体は、法律の一部分だけを見れば間違っていない。

しかし、あなたの状況全体に当てはめてみると、かえって不利になったり、
別の問題を引き起こしたりする可能性がある、というケースです。

いわゆる「木を見て森を見ず」の状態ですね。

この「全体最適」の視点は、専門家でないとなかなか気づけない部分です。

部分的に正しい情報だけを信じて行動すると、「全体最悪」の結果を招きかねません。

まとめ:AIは優秀なアシスタント、でも最終判断は

AIは、情報収集のきっかけや、あたりをつけたりする上で、非常に便利なツールです。

しかし、法律相談、特にご自身の権利や財産に深く関わるような問題については、AIの回答だけで判断するのは危険が伴います。

弁護士に実際にご相談されることをお勧め致します。 

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