遺言の利点はまだまだあります。
例えば、現預金や株式がなくて、土地や家などの不動産しかまとまった財産がない場合です。
この場合、分ける対象が家や土地などしかない場合、分ける方法としては
①そのまま、共有のまま置いておく
②売却して、お金を分ける
➂誰か1人の名義にして、他の相続人に代償金を払う
という3点があります。
ただ、これも相続人間で、家に対する愛着により分け方で揉めることが多々あります。
両親との思い出を大切にしたいから家をそのまま置いておきたい人
まとまったお金がすぐにでも欲しい人
他の相続人を困らせてやりたいがために、家をどうするか返事をしない人
いろいろいます。
これが続くと、固定資産税の支払も課されますし、家の修理もできないし
と不都合が続いていきます。
「協議がまとまらなかったら、調停でええやん。」という人もいらっしゃるかもしれません。
しかし、調停もしょせん話し合いなので、話し合いがまとまらないということもあります。
そうなると、審判で、裁判所が「えいや!」で分けてくれますが
これはこれで、共有状態が維持されたり、形式競売になって、安く売り払われるとか
あまり、望ましくない結果にもなりかねません。
(弁護士費用もかかりますし。)
これが、遺言があると分け方を指定しておけば、それに則って
分ければ話が済むので、非常に楽なわけです。
(話も2行で済みます)
ただ、めちゃくちゃな遺言を作っても無意味なので
弁護士に遺言書の文面案を作ってもらう方がいいと思います。